AIの進化は凄まじく、数ヶ月もすれば全ての状況が変わってしまうので、現状のAIを使った働き方や生活の仕方をどこかに残しておけば後から振り返った時に面白いんじゃないかと思った。
ということで、仕事もプライベートも含めて、最近のAIの使い方を紹介していこうと思う。
tldr
- 使用ツール: Cursor, Grok Bot
- 開発環境: CursorとGrok Bot のクラウド環境✖︎モバイルアプリorデスクトップアプリ
- 最近のブーム: 個人開発のモバイルアプリをGrok Botにどんどん開発させる、引越し先や車の検索をルーティンでやらせる
仕事: Cloud Agent がメインの仕事場になった
ここ数ヶ月を振り返ると、一番大きな変化はCloud Agent を試してみて、それがメインの仕事場になったことだと思う。
Cloud Agent のおかげで、自分のマシンスペックがエージェントを動かす限界になる、というリミッターが外れた。
並列数を気にすることなく、色々なことを並行して進められるようになった。
自分はずっとCursorを使っており、最近はCursorのこの辺りのメリットに注目が集まり嬉しい気持ち。
これまでの並行作業
話を戻すと、これまではCursorを使って、
- ローカルで開発についての何かをする
- リポジトリをもう一個用意して、レビュー環境を作る
- 差分が生まれない程度の分析タスクを回す
という3つを並行して進めることが多かった。
ただ、クラウドエージェントの登場でその前提がアップデートされた。
マシンの負荷もタスクの種類も特に気にすることなく、何個も同時に走らせられるようになった。
Cursor Automationsでセキュリティ系タスク解決を自動化した
Cursor Automationsを使って、仕事で大きく成果を出せたのも一つの変化だった。
Composer 2.5、Grok 4.6のあたりで、会社のセキュリティ系のイシューの解決を自動化する、というゴールが割り当てられた。
僕が取った解決策は、それをうまくハンドリングできるスキルを一つ作り、Cursor Automationsで定期的に回したり、Slackの絵文字などに反応させたりして、自動でプルリクエストまで作るというもの。これがなかなか好評だった。
具体的には、サービスが持つ脆弱性の修正のうち、脆弱性を持つ依存パッケージのアップデートを、安全性の確認も含めて全て自動化するというもの。
スキルにフェーズとチェックリストを設けた
ただ単純に「解決して」とお願いしたのではなく、スキル上にフェーズを設けて、フェーズごとにプログレスファイルを作るように明示した。
コンテキストの圧縮に関係なく、やって欲しいことが全てチェックリストで埋まるようにしてもらった。
フェーズの中身はざっくりこんな感じ。
調査フェーズ
- 現在のリポジトリ、コードベースを分析して、イシューと関係するライブラリのバージョンを全て洗い出す
- 使っている依存ライブラリの脆弱性をウェブで検索して、全てリスト化する
解決策調査フェーズ
実際にその脆弱性を解決するためのバージョンアップデートについて、色々と検討させる。
項目としては、単純なアップデート、パッチアップデート、メジャーアップデート、ライブラリの削除、ライブラリの置き換えといったところ。
その中からどれが安全かを判定させるため、チェンジログと、自分たちのコードベースの中でそのライブラリを使っている箇所を全て洗い出させる。
そしてその全てに対して影響やリスクを評価させ、複数のオプションから一つを選んでもらう。
実装フェーズ
- まず直接の修正の前にテストカバレッジを調べさせ、コードを変更した後もそのテストでプロダクトの安全性を確保できるレベルになっているかを確認する
- テストケースが足りなければ、変更を行う前にまずテストだけを追加させて、テストが通ることを確認させる
- その後、実際のアップデートを適用させる。全てバーチャルマシン上で行われているので、pnpmのスクリプトなどを使って、自分たちがAI以前にやっていたような手順でアップデートさせる
- テストを実行させ、落ちた場合はその理由を元に、テストが通るまで修正を回させる
プルリクエスト作成
全ての確認が終わったら、その都度更新されたプログレスファイルのチェックリストを確認し、プルリクエストを作成させてCIが終わるまで待つ。
現状は、CIなどの修正の確認が全て終わったら、人間に対してレビューリクエストを出している。
これはおそらく少し経てば、まずレビューが必要かどうかを判断させる層を作り、その後は人間のレビューが全て不要になる、といったところまで見越している。
思いの外高評価
これを2026年7月から着手しており、自動化のレベルに対して半信半疑だったものの、動かし始めてみると思った以上に質が良かった。
特に、プルリクエストの中にそれまでの調査レポートを含めるようにしたのが、なかなか勘どころが良かった。
これを含めることで、なぜそのオートメーション、AIエージェントがその変更を行うに至ったのか、ディシジョンフローと理由が明確になる。
人間がレビューする時に前提のコンテキストが整うので、なかなか便利だなと思っている。
これがあったので、クラウドエージェントの可能性に惹かれ、そこからはなるべく全ての開発をクラウドエージェントでやるようにした。
ローカルとクラウドを意識しなくなった
Cursorでは2026年のQ2ぐらいから、ローカルとクラウドの行き来がかなり自由になっている。
特にUI上では、今の変更がローカルで行われているのかクラウドで行われているのかを意識することがなくなっていた。
それもあって全てをクラウドエージェントに任せていたのだが、そこで発生した問題が2つあった。
- 複数のチャットでコンテキストをどう共有するのか
- 大きめの修正や機能をリリースする時のロールアウトをどう管理するのか
大きめのリリースでは、プルリクエストを複数に分けたり、数日間ログを待ってから次のステップに移行したりといったことが必要になる。
Markdown → Notionで管理
最初はMarkdownで試したのだが、Markdownの表現の不自由さが足かせになって、なかなか理解がうまくいかなかった。
そこでNotionを試し始めたらうまくいったので、Notionを使い始めた。
Notionにはフェーズごとのやるべきことが ToDoリストで書かれていて、フェーズが進むごとにAIに更新してもらっている。
また、僕のCursor環境はSentryやGoogle Cloud Loggingなどのログ環境にもアクセスできる。
なので、フェーズを進めるごとにその変更がどのようなログを発生させたのかを確認させ、その結果によって次のフェーズに移行できるかを判断させて進める、といった感じ。
これもなかなかうまくいき、これまで面倒くさいと思っていた「事故を防ぎながら大きな機能のリリースを進める」ということが、なかなか快適になってきた。
Cursor Projectsの登場
そんなことに慣れてきたところに、ちょうどCursor ProjectsとGrok Botが登場した。
Cursor Projectsは、まさに僕がNotionでやっていたようなことにプラスアルファを加えたものだったので、Cursor Projectsが出てきてからはNotionを使うのはきっぱりとやめて、プロジェクト上でやるようにした。
コンテキストの共有がCursor側で自動でされるので、気持ちNotionを使うよりはスムーズにいっている感覚はある。
一方で、Notionの表現の自由さには劣るので、僕の目からすると理解しにくいアウトプットが出てくることもある。
まあそれはそのうち慣れるだろうし、Cursorも改善するだろうということで放置している。

Grok Botはなかなか革命
Cursor Projectsを使い始めてしばらく経ち、仕事でもプライベートでも使うようになった。
ただ、同じプロダクトなのにプロジェクトを分けていると、プロジェクトごとの変更をどうコントロールするのか、というか並行してプロジェクトを進めている時にコンフリクトが起きやすい、といったことが発生した。
この不快さをどう解決するかを考えていたところでGrok Botを試してみたら、なかなかすごいものだと気づいた。
数週間試した結果、個人開発とプライベートな事項を合わせて20個ほどのbotを作成して使っている。

トリガーが自分起点でなくなった
そもそもCursorのクラウドエージェントとCursorのモバイルアプリの登場によって、スマホだけで色々なものを実装することは叶っていた。
とはいえ、Cursorの場合はそのトリガーが自分起点だった。
オートメーションである程度の自動化はできるが、プロダクトの意思決定のようなルーティン化しにくいもの、
- どのような機能を実装したいのか
- どのような分析結果をもとに、どのようなテストを実装したり、どのような機能を追加するのがいいのか
といったことを考えた上で、自分がトリガーを押す必要があった。
Grok Botはこのあたりの課題の解決を目指しているように見えるし、実際解決できているように思える。
個人開発のプロダクトを最大限伸ばしたい
僕が今メインで開発している個人のプロダクトは、月の売上がカナダドルで110ドルほど。
これを一旦Grok Botを使って最大限伸ばしていこうと思っている。
伸ばすためには、プロダクトの利便性を高めることも必要だし、ここからお金を生むためには、ユーザーの使い方を分析して、改善すべきポイントを改善して、それをマーケティングに活かして……といったことが全て必要になる。
こういったプロダクト全方面の開発・改善は、Cursorだけではやりにくかった。
そこでGrok Botで役割ごとのボットを作り、
- 毎朝ルーティンを回す
- チーフオブスタッフがやるべきことを決めて、各ボットに指示をする
- プルリクエストのマージをする
- デプロイも自動化する
といったところまで整えたら、リミッターが外れたように思える。
現状はボット同士のやり取りが少し冗長で無駄が多いなと思うものの、それは自分のエージェントの調整でなんとかなるし、Grok Bot自体のアップデートでもなんとかなりそうな気がしている。
とにかくGrok Botはなかなか優秀だし、Cursorから来たクラウドエージェントも、それと組み合わせたプロジェクトもなかなか優秀。
Cursorを使い続けて一年半ほどだが、これはなかなか当たりが来たなといったところ。
旅行中にも開発が進んでいた
このブログを書いているのは2026年9月の最終週の日曜日なのだが、直近の一週間は奥さんと一緒にモントリオールとケベック市に旅行に行っていた。
その旅行の最中にもGrok Botを使って開発をしてしまっていて、大きめの機能やExpoのアップデート、マスコットキャラクターの作成などが終わっている。
旅行をしているのに、機能の実装やアイデア出し、実装以外のドキュメントなども終わっているというのは……なかなか常識を入れ替える必要があるなといった感じ。
個人開発だとしがらみなく色々なことが試せるので、作って学ぶスタイルの僕には嬉しい時代が来たなというところ。
最近の悩み: トークンの消費が凄まじい
最近の悩みは、トークンの消費が凄まじいこと。
もともとCursorのProプランを使っていて、はみ出した部分はAPIの使用料を従量課金で払っていた。
Grok Botを使い始めてからはPro+プランに切り替えたものの、Pro+プランでもウィークリーのリミットに達してしまい、特にGrok Botを使っている時の消費がなかなか厳しい。
200ドルのUltraプランにしてもいいのだが、そうすると個人開発の利益以上の消費になってしまう。
どうかなと思いつつ、必要な投資なのかもしれない。悩みどころ。
・・・と書いたこの日に200ドルのUltraプランにした。高い!
Grok Botの活用: プライベート編
プライベートでもGrok Botを最大限活用している。
例えば最近は引っ越し先の調査や、中古車の購入の検討をしている。
これもまずGrok Botと会話をして、自分が探すべき候補や調査すべきことのリストを整理する。
その上で、1日1回や数日に1回といった形でルーティン化したボットエージェントを別で作り、数日に1回自動で調査結果を報告させるようにしている。
自分で毎日検索するより脳のリソースが必要ないので忘れていられるし、抜け漏れもない。
実際に購入して良さそうな車や、引っ越して良さそうな部屋の内見候補をちらほらゲットしていて、来週から実際に内見する予定。

MetaのMuse検討
このブログを書く1〜2週間前に、MetaもMuseというAIエージェントアプリをリリースしていた。
僕はカナダに住んでいるので使えるのだが、アプリをインストールしてみた感じ、Grok Botと似たようなことができそう。
プライベートなことはMuseに寄せて、開発というかプロダクト運営のことはGrok Botにお任せする方が、トークン効率を最大化できていいのかなと思っているので、後で試す。
未来予測
Cursorの動きを見ていると、自分が今の機能を最大限使った時にCursorの中でカバーできず、サードパーティーのプロダクトを使って管理していたところをピンポイントで埋めてくるように感じている。
それを考えると、
- 音声対応周りがもう少し強化され、アプリを触らずともエージェントとの会話で完結する部分がもう少し広がりそう
- 人間がエージェントのアウトプットを理解するための仕組みがよりスムーズに整えられていくのでは。今のテキストメインだと限界がある。(レビューしない方向性の進化もあり得そう
といったところかなと思う。
次の数ヶ月でどのように変わっているかな

